日本ロービジョン学会学術総会プログラム・抄録集
第6回日本ロービジョン学会学術総会プログラム・抄録集/第14回視覚障害リハビリテーション研究発表大会
セッションID: S1-4
会議情報

緑内障
緑内障:疾患の特徴とロービジョンケアの要点
*川瀬 和秀
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

線内陣は、一般的には日の中の圧が高いことにより視神経が障害されて視野が障害される疾患である。
しかし、急性発作を除き、通常の緑内障は自覚痘状の乏しい疾患であり、発見が遅れたり、管理が中断されたりして、視野障害が進行することが少なくない。また、視野障害の程度に左右差がある場合や、進行が遅い場合は、視野障害に慣れて生活に苦労していない場合もあり、緑内障のロービジョンケアの導入には苦労することも多いのが実情である。
我々は、緑内障患者の日常生活や社会生活、心理的な側面の評価を行うため、VFQ-25を用い解析を行い、?@瞭眼を視野障害の程度と部位(軽微、上方、下方、全体)?A年齢(成人、前期高齢者、後期高齢者)?B性別により分類し評価した結果、?@視野障害の程度と部位による分類では、上方は運転、一般的見え方と心の健康が低値であった。?A年齢による分類は、高齢化に従い一般的見え方、一般的健康は低値を示すが社会生活、役割機能、心の健康は高い値であった。?B性別による評価では、総合得点において男性は疾患が無い場合と同程度であったが、女性は過去の緑内障や白内障の報告と同程度の比較的低い値を示していた。
実際のロービジョン外来では、緑内障の病型、障害程度により、様々なケアが行われる。2年間の統計では、緑内障外来通院中の5.3%(153/2864例)がロービジョン外来に紹介された。その内訳は、成人が135例で、処方は遮光眼鏡が43.5%と最も多く、その他タイボスコープや単眼鏡、ルーペ等が処方されていた。偏心視訓練は1例と意外に少なかった。小児は18例で、幼児期の緑内障では、虹彩や角膜の変化も伴うため、調光眼鏡や偏光眼鏡等の、より多彩な光学的補助具の処方が必要であった。
今回の講演では、これらの結果を紹介し、緑内障のロービジョンケアの必要性と実際について報告したい。

著者関連情報
© 2005 日本ロービジョン学会・日本視覚障害リハビリテーション協会
前の記事 次の記事
feedback
Top