霊長類研究 Supplement
第20回日本霊長類学会大会
セッションID: P86
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ポスター発表
飼育下大型類人猿の生物資源利用~大型類人猿情報ネットワーク(GAIN)の活動~
*赤見 理恵倉島 治落合-大平知美 知美吉川 泰弘松沢 哲郎平井 百樹長谷川 寿一
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抄録

日本国内には、動物園を中心に多くの大型類人猿が飼育されている。これら大型類人猿の基礎的情報の集積、非侵襲的手法での研究利用推進、そして不慮の死があった場合の遺体の有効利用を目指して、「大型類人猿情報ネットワーク(GAIN)」は研究者、飼育施設関係者など立場を越えたネットワークを築きつつある。GAINおよび旧ナショナルバイオリソースプロジェクト、チンパンジーフィージビリティースタディーでは、基礎情報の集積として、大型類人猿の国内飼育状況、個体数変動の将来予測、研究利用のニーズなどを調査してきた。またネットワーク形成のために、資源配布に関する飼育施設へのアンケート、資源利用希望者の登録などをおこなってきた(現在約100名)。同時に、こうした基礎情報とネットワークを組み合わせて、死亡個体の資源分配を実践してきた。これまでに、6個体の大型類人猿(チンパンジー4個体、ゴリラ1個体、オランウータン1個体)の遺体を研究者へ分配した。利用した研究者は分子生物学、形態学、医学、薬学など多分野にわたり、延べ70人となった。配布後は研究成果を蓄積し、飼育現場や今後の資源利用へフィードバックすることを目指している。ポスターでは、これまでの調査結果と資源分配の状況を報告する。

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© 2004 日本霊長類学会
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