日本臨床免疫学会総会抄録集
Online ISSN : 1880-3296
ISSN-L : 1880-3296
第39回日本臨床免疫学会総会抄録集
セッションID: PW-70
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一般演題(ポスターワークショップ)
臍帯血NK細胞は成人末梢血NK細胞よりもTLR-8刺激によるIFN-gamma産生能が高い
*高田 英俊Mohamed Eljaafari Fairuz田中 珠美土居 岳彦大賀 正一原 寿郎
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キーワード: 新生児, 自然免疫, NK細胞
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抄録

NK細胞はIFN-gamma産生能を介してウイルス感染症において重要な役割を果たしていることが知られている。NK細胞は感染部位においてaccessory cellとの相互作用によりIFN-gammaなど種々のサイトカインを産生する。実際にNK細胞欠損症では小児期にウイルス感染症が重症化することが報告されている。新生児は種々のウイルス感染症に対して易感染性を示すが、新生児のNK細胞機能が成人と比較してどのような特徴を有しているのかは明らかになっていない。我々は以前、臍帯血NK細胞がIL-18に対して成人NK細胞よりも強いIFN-gamma産生能を有していることを明らかにした。今回我々は、臍帯血NK細胞は成人末梢血NK細胞と比較して、単球、IL-2、IFN-alphaの存在下にTLR-8刺激によってより強いIFN-gamma産生能を有することを明らかにした。単球のTLR-8刺激による反応性を検討した結果、臍帯血単球は成人末梢血単球と比較してより強いIL-12産生能を有していた。抗IL-12抗体を加えるとTLR-8刺激によるNK細胞からのIFN-gamma産生能は著しく低下した。新生児の自然免疫の一部は成人と比較して強い反応性を有しているものがあり、新生児の弱い獲得免疫を補っている可能性があると考えられた。

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© 2011 日本臨床免疫学会
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