日本臨床免疫学会総会抄録集
Online ISSN : 1880-3296
ISSN-L : 1880-3296
第36回日本臨床免疫学会総会抄録集
セッションID: S4-2
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Microarrayを用いたアレルギー病態の解析
*松本 健治
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抄録

Microarrayを用いた遺伝子の網羅的発現解析法は臨床的には明らかでありながら機序が不明な病態の解析に極めて有用なツールである。当研究室で行っているMicroarrayを用いたアレルギー病態の解析例を提示する。 1.ステロイド吸入は気管支喘息の治療の基本であるが、ステロイド吸入を行っても下気道感染症の頻度が増加するとの報告は認められず、この機序は不明であった。培養気道上皮細胞をサイトカイン刺激し、さらにステロイド剤を添加して誘導される遺伝子群のMicroarray解析から、サイトカインによって誘導されるToll-like receptor 2の発現がステロイド剤によって増強されることが明らかとなった。 2.ウイルスによる下気道感染症は気管支喘息発症の強力なリスク要因であるが、その機序は不明であった。培養気道上皮細胞をdsRNAで刺激した際とTh2サイトカイン刺激した際とで共通に誘導される遺伝子群を検索したところNOTCHのligandであるJagged-1が見いだされた。さらにTh1を誘導するDelta-1とTh2を誘導するJagged-1はIFN-gammaとIL-4によるSTAT1/STAT6を介したReciprocalな制御を受けていることが明らかとなった。

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© 2008 日本臨床免疫学会
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