日本臨床免疫学会総会抄録集
Online ISSN : 1880-3296
ISSN-L : 1880-3296
第35回日本臨床免疫学会総会抄録集
セッションID: W2-2
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ワークショップ2 自己抗原・自己抗体‐診断・治療への展開‐
ループスモデルマウス由来のB細胞ハイブリドーマが認識する核抗原の検討
*佐藤 毅藤井 隆夫吉藤 元野島 崇樹大村 浩一郎臼井 崇三森 経世
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抄録

<目的>抗核抗体の病原性を明らかにすることを最終的な目的とし,MRL/lprマウス脾細胞から抗核抗体を産生するB細胞ハイブリドーマ(HD)を分離した.<方法>30週齢のMRL/lprマウス脾細胞を用い,ミエローマ細胞SP2/0-Ag14との融合を行った.HAT選択培地下で生存したB細胞HD培養上清が認識する核抗原を1)HeLa細胞を抗原としたRNA免疫沈降法(RNA-IPP),2)リコンビナント蛋白を抗原としたELISA,3)培養細胞抽出物を抗原とした免疫ブロット法(IB)によりスクリーニングした.<結果>抗核抗体を産生するHDが3種類(Hy11,64,104)得られた.1)Hy11上清はRNA-IPPで5.8SリボソームRNAを沈降したが,ヒトリボソームP抗原を固相化したELISAでは陰性であった.2)Hy64上清はRNA-IPPで陰性,ELISAでは全U1RNP/U1RNP-70Kに反応したが,ヒトHeLa細胞を用いたIBでは45kDaに反応し70K蛋白のアポトーシス産物であるU1RNP-70Kapopを認識すると考えられた.3)Hy104上清はRNA-IPPでU1RNAを沈降,ELISAで全U1-RNP/U1RNP-Cに反応し,C蛋白を認識する抗体と考えられた.<結語>これまで報告のないモノクローナル抗U1RNP-70Kapop抗体を含め,SLEと関連する抗核抗体を産生するハイブリドーマを単離した.

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© 2007 日本臨床免疫学会
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