埼玉県のため池で隔離水界実験を行い、ヒシが水質・プランクトン及びベントスに与える影響について調べた。7月初め、水界4基のうち2基にヒシを植栽し、残りを対照区として、12月まで全項目を調査した。
その結果、水質項目では全層のDOと底層のpHがヒシ区で有意に低かったが、栄養塩濃度にはヒシの有無による違いは見られなかった。植物プランクトン種の現存量では、Tabellaria、Closterium、Mougeotiaがヒシ区で有意に大きかったが、総クロロフィルa濃度にはヒシの有無による違いは見られなかった。動物プランクトン種の密度では、CalanoidaとAlonaがヒシ区で有意に大きかった。ベントスでは、フサカの密度及び現存量が共にヒシ区で有意に大きかった。