関東甲信越ブロック理学療法士学会
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第40回関東甲信越ブロック理学療法士学会
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口述
O19-1 コロナ禍における院内/オンラインを併用したハイブリッド型臨床実習の実践報告
伴 佳生小杉 文乃島崎 夕佳菜岸田 脩平今田 光一郎植竹 有里浅田 実穂曽我 剛史
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p. 101-

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抄録

【はじめに】COVID-19 の感染拡大は臨床実習の機会を失わせることにもなった.指定規則の改定という過度期とも重なり,新たな臨床実習のしくみ構築は急務となっている.当院は感染流行地域にあるが,院内実習とZOOM によるオンライン指導を併用したハイブリッド型(以下HV 型)臨床実習の形式を考案しこれまでにPTS,OTS 合計3 期5 名の臨床実習を実施したので報告する.

【倫理的配慮】実習生,指導担当者に主旨と目的を説明し,調査への同意を得た.

【方法】2021 年1 月-4 月の間,PTS2 名,OTS3 名の臨床実習をHV 型で実施した.実習生の院内での実習時間を15

時頃までとしラッシュを避け帰宅させ,以降を自宅での作業,学習時間とした.ZOOM に作成したチャンネルにデイリーノートなどの提出物をアップロード,指導側はチャットまたはオンライン面談にて指導,質疑,対話等を行った.実習終了後に実習生および指導担当者にアンケートを実施した.

【結果】COVID-19 感染を疑う状況を発生することなく全実習日程を終了し,実習生5 名,指導担当者7 名からアンケートの回答を得た.HV 型のメリットとしては「指導内容及びやりとりが残り振り返りやすい」,「部門全体で指導内容や実習状況を共有できる/してくれる」,「落ち着いて考えを伝えられる」,「自分のタイミングでコメントを返せる」などが挙が

った.デメリットとしては「ノンバーバルな部分を感じ取りにくい」,「通信環境やIT 習熟度の影響を受ける」,「業務時間との線引きが難しくなる」などが挙げられた.実習生5 名中4 名,指導担当者7 名中6 名が今後もHV 型実習が望ましいと回答した.

【考察及び結語】課題も散見されたが,オンラインのメリットを活かし感染対策のみにとどまることなく従来型より充実した実習となった面も多くあったと考える.これらは指定規則改定後の臨床実習においても活用できる可能性があり,今回認識した課題を解決しながらより有用な臨床実習形式を検討,実践していきたい.

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© 2021 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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