関東甲信越ブロック理学療法士学会
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第38回関東甲信越ブロック理学療法士学会
セッションID: P-091
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介護老人保健施設における褥瘡予防対策としてのポジショニングに関する実態調査-職種間の役割の違い-
浅見 正人宇野 潤保木山 紗千子矢野 秀典水田 宗達海老澤 玲吉田 圭佑深澤 孝朗関 良一正田 和男
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抄録

【はじめに】本調査の目的は、介護老人保健施設(老健)において理学療法士(PT)をはじめとする各職種がポジショニングの実施に対しどのような役割を担うかを明らかにすることである。

【方法】対象は埼玉県老健協会の会員施設に所属する職員である。調査方法は会場調査(協会主催の勉強会)及び郵送調査(県内148施設)を用いた。調査期間は2018 年7月〜10月までとした。質問内容は「褥瘡予防としてのポジショニングに対し各職種が果たすべき役割」であり、10項目(体位交換、シーティング、身体機能評価、動作能力評価、合併症の予測、安楽姿勢の確保、環境設定、家族指導、情報共有、職員教育)から複数回答により回答を得た。統計解析はPearsonのx2検定及び残差分析を行い、統計学的有意水準は5%未満とした。

【倫理的配慮】本研究は埼玉県老健協会の協力のもと埼玉県理学療法士会理事会の承認を得て行った。調査時には目的や結果の公表を明記し、匿名にて実施した。調査への同意は質問紙への回答をもって得たものとした。

【結果】回答者数は1387名であり、無回答など11名を除く1376名を分析対象とした。対象者内訳は医師29名、看護職員282名、介護職員527名、栄養士85名、理学療法士247名、作業療法士98名、言語聴覚士17名、ケアマネジャー79名、相談員12名であった。解析の結果、10項目全てにおいて職種間での有意な差を認めた。特に、理学療法士が他職種と比較して有意に高かった項目は、シーティング・身体機能評価・動作能力評価・安楽姿勢の確保、環境設定、家族指導、職員教育の7項目であった。

【考察】本調査より褥瘡予防に対するポジショニングに関し、PTは多くの役割を担っていた。特に他の職種と比較した場合、身体機能や動作能力などの評価に対する役割が高かった。さらに、環境設定や家族指導・職員教育など間接的支援も担うなど、老健においてPTはポジショニングの実施に対し中核的な役割を担うと考えられる。

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© 2019 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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