関東甲信越ブロック理学療法士学会
Online ISSN : 2187-123X
Print ISSN : 0916-9946
ISSN-L : 0916-9946
第38回関東甲信越ブロック理学療法士学会
セッションID: P-070
会議情報

ポスター
外科手術前患者の不安とニーズ~術前リハビリテーションの課題~
出井 正紀入江 彩香高野 翔次日塔 ひかる高野 利彦横山 浩康
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

【目的】医療の現場で、インフォームドコンセントというプロセスは、医療者と患者・家族との信頼関係形成に重要な意義を持っており、私たち理学療法士も業務を行う上で、必ず行うプロセスである。特に外科手術前患者は、多くの不安を抱えていることに加え、術後リハビリテーションという考え方まで達していないことを臨床ではしばしば感じる。先行研究では、看護師によるものが多くあり、入院前にパンフレットを使用し、医療者側が説明を行うことが重要とされていた。しかし、手術前患者の不安とリハビリテーションについて述べられているものは少なかった。今回、当院における外科手術前患者の不安とニーズを調査したため報告する。

【方法】対象は、2018年12月から2019年2月までの3カ月間、当院外科手術(胃、肝臓、大腸、直腸)予定で入院、術前リハビリテーションに介入し、同意を得られた12名に対し質問紙調査を実施した。調査方法は、医師・看護師・療法士の術前オリエンテーション後に多肢選択、対面直接法で実施した。調査内容は、性別・年代・手術部位・手術回数・入院における不安要素・病院スタッフからの説明に対する満足度・医療スタッフ(医師・看護師・療法士)に対し求めること、の7項目とした。対象者には、ヘルシンキ宣言に則り、説明と同意を得た。

【結果】外科手術前患者は、手術回数に関係なく、不安を抱えていることが分かった。特に、手術に関して・痛みに関しての回答が多かった。しかし、医療者側の説明等は満足しているとの回答が多かった。リハビリテーションに対しては、安全性を求める回答が多かった。

【結論】当院における外科手術前患者の不安要素は、手術・痛みについての回答が多かった。術前リハビリテーションでは、術後のリハビリテーションの内容に加え、安全性に関する内容を示す必要性が示唆された。

著者関連情報
© 2019 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
前の記事 次の記事
feedback
Top