関東甲信越ブロック理学療法士学会
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第38回関東甲信越ブロック理学療法士学会
セッションID: O-108
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口述
通所リハ利用者の効果判定(第1報)〜日常生活動作実行状況の変化より〜
横山 一弥
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抄録

【目的】当院通所リハ利用者における日常生活動作(以下ADL)自立度の変化を調査することにより、通所リハの効果判定とサービス向上につなげることを目的とした。

【方法】対象は、2019年3月時点で当院通所リハを利用しており、リハビリテーションマネージメントⅢ(以下リハマネⅢ)を算定していた方94名。アセスメントシートに従い、生活実行状況(しているADL)を評価し、利用開始時と直近の評価結果を比較した。

【倫理的配慮】ヘルシンキ宣言に基づき調査をすすめた。

【結果】開始時と直近のADL平均点数比較では、t検定の結果、有意に差が認められた(t-3.28、df94、p<.0.05)。いずれかのADL項目が向上した方は29名(31%)維持57名(61%)低下8名(8%)。開始から6か月未満の方は25名そのうち向上3名維持22名低下0名、6~12 ヵ月は26名、向上10名維持14名低下2名、12~18か月は12名、向上9名維持3名低下0名、18~24か月は8名、向上が1名維持6名低下1名、24か月以上は23名、向上6名維持12名低下5名であった。低下した方の主たる診断名は、肝臓ガン、腰椎圧迫骨折、慢性関節リウマチ、脳梗塞、心不全であった。

【考察】開始時と直近ADL平均値の有意差と維持・向上を合わせて92%であったことより、当院通所リハが、今回の対象者において、ADL実行状況の維持・向上に効果をもたらしていることが示唆された。当院は1時間以上2時間未満のサービス提供であり、食事・入浴を直接支援・練習する場面はない。利用時の基礎トレーニング・個別リハに加えて、リハマネⅢにおける定期的な居宅訪問での環境提案・アドバイスが関与していると考えられる。向上した方の開始時からの期間をみると、6~18か月に多い傾向があり、24か月以上での向上も認められていることから、一定期間での終了想定は困難であると考えられる。今後は、ADL変化項目の分析やリハマネⅠとの比較等行い、さらに生活自立度向上につながる通所リハを目指したい。

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© 2019 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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