主催: 公益社団法人日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
会議名: 第38回関東甲信越ブロック理学療法士学会
開催日: 2019/10/26 - 2019/10/27
【目的】肥満は予防理学療法において重要な課題である。 成人肥満に移行しやすい小児肥満児の出現率は増加傾向にある。そこで、肥満予防対策を検討する問題意識から、大学生の身長、体重および肥満度(BMI)と食事環境、運動環境、本人および両親の体格との関連性を調べることで、身長と体重およびBMIに影響を与える因子を知ることを目的に調査を行った。
【方法】健康な大学生210名(年齢19 〜22歳)を対象とし、投函法による無記名アンケート調査を行った。
【倫理的配慮】無記名調査用紙を封入しての投函により同意を得、個人に遡ることができないようにした。
【結果】出生時体重は、大学生時バスケットボール経験群が他のスポーツ群より高く、小学時バレーボール経験群が他のスポーツ経験群より高かった(p<0.05)。大学生の身長と母親の身長に相関を認めた(r=0.487、p<0.05)。 食物繊維及び果物の摂取は、母親の年齢が50 歳以上群の方が49歳以下群より高かった(p<0.05)。現在の大学生のBMIと母親のBMI(r=0.45、p<0.05)、朝食での果物の摂取(r=0.37、p<0.05)との間で相関を認めた。
【考察】大学生の身長は母親の身長が影響を与え、出生時体重が多い児は後にバスケットボール、バレーボールを行う可能性が高く、大学生の身長は遺伝に影響される部分が多いが体格がスポーツを選ぶ際に影響を与える可能性が考えられる。BMIで母親と大学生で相関が見られたのは、大学生は母親と類似の食事をしており、 母親の年齢が50歳以上になることで健康志向になり、朝食で食物繊維及び果物を多く摂取する可能性を考えた。果物の果糖は吸収が早く中性脂肪になるため果物を多く摂取するほどBMIの値が高い傾向にあると考えた。BMIは食習慣によって影響があるため肥満予防には作り手への指導も重要であると考えた。