関東甲信越ブロック理学療法士学会
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第36回関東甲信越ブロック理学療法士学会
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P-221 福祉用具専門相談員からみた利用者の機器に対する心理的抵抗感
安心院 朗子
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p. 321

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抄録

【目的】

福祉用具専門相談員が利用者の機器に対する心理的抵抗感を感じることがあるのかについて明らかにすることを目的とする。

【方法】

日本全国の福祉用具を取り扱う事業所30 か所に勤務する602 名の福祉用具専門相談員とした。394 名より回答を得た(回

収率65.4%)。質問紙は、事業所の責任者を通して用紙を職員に配布および回収し、郵送にて提出してもらった。調査は2014

年12 月~2015 年3 月。本調査は無記名とし本人が特定されないよう配慮した。

【結果および考察】

福祉用具専門相談員が販売または貸与する機会のある機器の頻度について「とてもある」から「まったくない」までの5 段階で尋ねた。「とてもある」「ある」と回答した割合は、普通型車いすが82%(394 名中323 名)と最も多く、次いで杖が

68%(394名中274名)、シルバーカーが61%(238名)、ハンドル形電動車いすが15%(59名)、ジョイスティック形電動車いすが14%(56 名)であった。それぞれの機器の使用について利用者から拒まれる頻度について「とてもある」から「まったくない」までの5 段階で尋ねた。「とてもある」「ある」と回答した割合は、シルバーカーが20%(394 名中77 名)と最も多く、普通型車いすが15%(57 名)、杖が11%(42 名)、ジョイスティック形電動車いすが10%(41 名)、ハンドル形電動車いすが10%(37 名)であった。利用者がシルバーカーを使用することを拒む理由として「、周りから歳をとったように思われる(73%)」「女性が使うものである(35%)」「周りからじろじろみられる(29%)」などが挙げられた。シルバーカーは杖と同様に多くの高齢者が使用している機器であるが、心理的抵抗感があることが明らかとなっている(安心院・徳田,2010)。シルバーカーの機器改良とともに、使いたいと思えるような機器へのイメージの変容が必要であると考えられる。

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© 2017 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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