関東甲信越ブロック理学療法士学会
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第35回関東甲信越ブロック理学療法士学会
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口述
O-167 ロコモ25 からみる自覚的不安感に関する身体的特徴の検討
北原俊杉山正樹大塚千晴柏崎龍朗高崎友宏
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p. 167-

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抄録

【はじめに】当院では平成26 年度からロコモティブシンドローム(以下ロコモ)健診を実施している。今回アンケートによるロコモ25 を用い、受診者が運動機能の低下・生活状態への不安を感じる要因となる身体的特徴について検討したので報告する。

【方法】 平成26 年4 月から平成28 年3 月の当院ロコモ健診受診者66 名をロコモ25 の判定基準を基に「ロコモ度

0」群(23 名)、「ロコモ度1」群(21 名)、「ロコモ度2」群(22 名)に分けた。身体機能として、「2 ステップ値」、「脚力年齢」、「開眼片足立位時間(左右)」、「閉眼片足立位時間」、「10m歩行時間」、「TUG」を各群で多重比較・フィッシャーの正確確率検定を用い比較・検討した。尚、データは厚生労働省情報管理ガイドラインに基づく匿名化の処理管理を実施した。

【結果】「2 ステップ値」、「開眼片足立位時間(左右)」、「閉眼片足立位時間」に各群で有意差は認なかった。「10m歩行時間」では「ロコモ度0 群」対「ロコモ度2 群」でP 値=0.011、「ロコモ度1」群対「ロコモ度2」群でP 値=0.002

の有意差を認めた。「TUG」では「ロコモ度0」群対「ロコモ度2」群でP 値<0.001、「ロコモ度1」群対「ロコモ度2」群でP 値=0.001 の有意差を認めた。「脚力年齢」では「ロコモ度0」群が40 代-50 代に16 名、「ロコモ度1」群が60 代に8 名、「ロコモ度2」群が70 代に9 名と各群内で人数が集まっており、P 値<0.001 にて有意差を認めた。

【考察】高齢者は運動単位数の減少によりTypII 繊維の縮小、TypI・TypII の混在が増加するといわれている。「10m

歩行」、「TUG」、「脚力年齢」では他と比較し、TypII 繊維の影響が大きいと考えられ、下肢筋力低下が受診者の自覚的不安感の原因となったことが推測される。

【まとめ】受診者の自覚的不安感の身体的特徴として下肢筋力の低下の影響が大きいことが確認された。

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© 2016 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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