関東甲信越ブロック理学療法士学会
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第30回関東甲信越ブロック理学療法士学会
セッションID: P2-12-118
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ポスター発表12 「生活環境支援2」
Wii Fit Plusによる運動効果および運動習慣について
*井上 和久原 和彦須永 康代金村 尚彦丸岡 弘
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抄録

【目的】
昨年、Wii Fitのバランストレーニングについて第45回日本理学療法学術大会にて報告し、健常成人でもある程度の効果が期待出来ることが検証出来た。今回は、バランストレーニング以外に有酸素運動・筋力トレーニング・ヨガを取り入れWii Fit Plusを利用することにより運動効果・運動習慣にどのような変化が現れるかについて検証することを目的とした。
【方法】
本研究は、ヘルシンキ宣言に則り被験者に研究の目的や手順を説明して署名による同意を得た骨・関節系の既往歴のない若年健常成人12名とした。本研究は、所属する倫理委員会で承認済み(第22014号)。使用機器は、重心動揺計、Wii本体、Wii Fit Plus、バランスWiiボード、体重体組成計、デジタル長座体前屈計、リアクションBGを使用した。測定方法は、身体測定(体重、基礎代謝、柔軟性、BMI、腹囲、棒反応)と静的重心動揺計にて重心動揺(開眼閉足30秒:総軌跡長・単位面積軌跡長)をトレーニング開始前、開始2週間後、開始4週間後の計3回実施した。トレーニングは、バランスWiiボードでWii Fit Plusのトレーニングを1日1回30分間実施(1週間のうち被験者の任意の3日間実施、4週間継続的に実施:計12日間約360分)。また、バランスWiiボードで重心を測定し、被験者の重心位置(左右前後)・BMIを確認させた上でトレーニングを実施した。さらに、Wii Fit Plusの体験が被験者にどのような行動変容あったか無記名アンケート(生活の変化、BMI、バランス、今後のトレーニングの有無、等)を実施した。統計処理は、IBM SPSS Statistics Ver.19.0を使用し、ウィルコクスンの符号付順位検定を行い、有意水準は危険率5%とした。
【結果】
トレーニング実施前後において、身体測定は何ら有意な差は認められなかった。総軌跡長は、トレーニング開始前と開始2・4週間後とにおいて有意な増加傾向が認められ(p<.05)、単位面積軌跡長は有意な差は認められなかった。アンケート結果は、「普段の生活に少しでも変化があった」:9/12、「今後何か運動を始めてみようと思いますか」の回答として、少しでも運動を実施したいという回答が11/12であった。
【考察・まとめ】
今回の研究結果として4週間のトレーニングの効果は認められなかった。しかし、アンケート結果から少なくともこの実験を体験することで現在よりさらに運動を実施したいという回答が9割以上得られ、普段の生活にも変化があったことから運動習慣を身につける良い機会になる事が示唆された。

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© 2011 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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