1970 年 7 巻 3 号 p. 136-141
豚精子抽出液および牛 Hyaluronidase で家兎を免疫して, これに対して産生した抗体を用いて. 精液および精子, さらに, 各種の雄性生殖臓器の抗原系の追求を OUCHTERLONY 法および螢光抗体法で実施した。
その結果, 次の成績が得られた。
1) 抗精子血清の抗原系は, 抗精液血清に比べて抗原系が少ないことが認められた。
また, 臓器に対する抗原系も少なくなることが認められたが, 使用した抗精子血清には臓器由来の抗原系の存在が指摘された。
この点については, SCAの追求とともに, さらに抗原系を分析することが必要と考えられる。
2) 螢光抗体法によって, 精子の螢光励起と各種の雄性生殖臓器の螢光励起物質の存在が認められた。
3) 牛の Hyaluronidase は豚精子抽出液と抗原系が存在しなかったが, これは, Source Specificity によるものと考えられる。