日本養豚研究会誌
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豚の椎骨数と産肉性との関係について
高橋 明吉岡 勝
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1964 年 1 巻 2 号 p. 73-76

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抄録

豚の椎骨数による体各部の発達状態, 発育, 飼料の利用性, 屠体等についてヨークシャー種273頭の検定用調査豚を用いて調査し, 次の結果をえた。
1) ヨークシャー種における椎骨型の出現率は21型が全体の64.5%で最も多く, そのうち15:6のものが約77%をしめている。
2) 椎骨数の多いものは体長が長く, 体重90kg時においては, 椎骨型23型のものは同20型のものに比べて約3.7cm長いが, 胸囲は逆に小さく, 胸囲率は小さい。
3) 後巾は体重90kg時において, 椎骨数の多いものは小さくなる傾向が認められた。
4) 椎骨数の多いものは少ないものより, 1日平均増体量が少なく, 飼料要求率も若干高い (わるい) 傾向があるが, 統計的には有意な差は認められなかった。
5) 椎骨数の多いものは屠体長および脊腰長 (II) は長い。これは統計的にも有意な差が認められた。
6) 脊部脂肪層 (カタ, セ, コシとも) は椎骨数が多くなるにしたがってうすくなる傾向がある。
7) 椎骨数の多いものは大割肉片のうち, ロース, バラは大きくなるが, ハムは逆に小さくなる傾向が認められた。

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