反応と合成の進歩シンポジウム 発表要旨概要
第29回反応と合成の進歩シンポジウム
会議情報

ポスター発表
ファンガード(FK463)工業化研究
*大東 篤神田 篤坪井 弘行橋本 典夫
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 52-53

詳細
抄録

ファンガードは2002年12月、藤沢薬品工業より発売された抗真菌剤で、その作用機序の新規性と高い有用性により、薬価算定における「画期的加算」が認められた。ファンガードは発酵生産物を修飾したFR179642と化学合成品であるFR195752との縮合により製造される(Fig. 1)。当研究室では、FR195752の工業的製造法を確立すべく、検討に着手した。ラボ合成法では、1)高価な原料使用、2)環境への負荷が大きい金属使用(Cu、Pd)、3)低収率等、工業化を行う上で多くの問題があった(Fig. 2)。私達は大量スケールでの製造法としてジケトン体FR179342からイソキサゾ―ル環を構築する新しい合成プロセスを確立した。すなわち、FR179342をエナミン化後、再結晶により異性体を選択的に除去し、次いでヒドロキシルアミンによる閉環反応を行い、位置選択的にイソキサゾ―ル環を構築した。副生成物である異性体は、酸加水分解反応によりFR179342へと導き、回収することが可能となった(Fig. 3)。現在、本製造法に基づき、FR195752の生産を行っている。

  Fullsize Image
著者関連情報
© 2003 日本薬学会
前の記事 次の記事
feedback
Top