反応と合成の進歩シンポジウム 発表要旨概要
第29回反応と合成の進歩シンポジウム
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ポスター発表
新しいイミダゾールの保護基を用いるイミダゾールC-ヌクレオシドホスホロアミダイト合成
*荒木 理佐山口 真帆米澤 澄谷口 奈津美春沢 信哉栗原 拓史Zheng-yun ZhaoDavid Lilley
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p. 34-35

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抄録

近年, RNAの多岐にわたる機能に注目が集まる中, 我々はRNAシークエンスの塩基としてイミダゾールを挿入したRNA1を合成することで, イミダゾールのRNAに対する役割を研究している. そこでRNA自動合成のためのコアユニットとなるイミダゾールC-ヌクレオシドホスホロアミダイト2の合成を種々検討した. 我々はすでにD-リボースからトリベンジルリボフラノシルイミダゾール3の効率合成を発表していることから、1 3から2への変換を目指した. この場合, 当初から問題となったのは, イミダゾール部分の保護基の選択であった. 保護基としては3の脱ベンジル化の還元条件に耐え, しかもオリゴマー合成の最終段階で緩和な塩基性条件下で脱保護できるものでなければならない. 我々は, 多くの検討の結果, 3のイミダゾール窒素をピバロイルオキシメチル基 (POM基)で保護した4は, アンモニアで容易に3にもどる一方, 還元による脱ベンジル化において切断されることなくトリオール5を与えることを明らかとした. 我々の知るかぎり, これはPOM基がイミダゾールの保護基として用いられた最初の例である。このようにして得られた5は, DMTr化, シリル化, ホスホロアミダイト化により2へ変換することに成功した。2の詳細なスペクトル解析は、その構造をよく支持した.

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© 2003 日本薬学会
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