風工学シンポジウム論文集
第23回 風工学シンポジウム論文集
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低風速域で生じるトラス橋斜材の空力振動に関する実験的研究
*玉井 佑典松田 一俊加藤 九州男三澤 恭平池田 樹
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p. 211-

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抄録

平成21年長崎県にある中央支間長400mを有するトラス橋である生月大橋の斜材に亀裂が発見された.その後の現地振動計測の結果,亀裂の主原因はカルマン渦励振とされたが,カルマン渦励振の共振風速よりも低い7~8m/sの風速域においても振動が観測された.従来,断面辺長比B/D=2~8の矩形断面を用いた風洞試験結果によると,カルマン渦励振風速域よりも低風速域で生じる自己励起型渦励振が確認されている.しかしながら,生月大橋のトラス斜材の断面辺長比は,B/D=1.18であり,この断面辺長比については従来のばね支持実験で自己励起型渦励振が確認されていない.そこで,本研究ではカルマン渦励振の共振風速よりも低風速領域で発現が確認されたこの振動に着目し,断面辺長比B/D=1.18の矩形断面を対象に,ばね支持実験を行い,振動の再現を試みた.さらに非定常空気力計測や流れの可視化実験も行い,ばね支持実験結果についての考察を試みた.また,自己励起渦の生成と断面辺長比B/Dとの関係を明らかにするため,断面辺長比B/Dを0.5~2.0に変化させた流れの可視化実験も行った.

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