近年ヒートアイランド現象や大気汚染等、弱風領域で深刻となる問題の検討にもCFDを活用していくことが期待されている。弱風領域では温度変化に伴う浮力の影響が相対的に大きくなるが、こうした都市や建物周辺の熱拡散・汚染物質拡散を対象とした非等温CFD解析の予測精度は未だ十分検証されていない。このような背景のもと日本建築学会に新たな「市街地の通風・拡散予測WG」が設置され、都市の通風、熱・汚染物質拡散を対象とした信頼性の高い実験データを提供するとともに、CFD解析の検証を行うことを目的として活動を行っている。その活動の第1段階として非等温乱流境界層中に置かれた単体建物後方のガス拡散に関する風洞実験とCFD解析を行った。