一連の風洞実験結果に基づき、切妻・翼型・片流れ屋根をもつ独立上屋の構造骨組および外装材設計用風力係数に及ぼす屋根下の遮蔽物の影響を考察した。外装材設計用風力係数は屋根端部領域において遮蔽物の影響を受けやすく、屋根平均高さに対する遮蔽物の高さの比hb/Hが0.5をこえるとその影響が顕著になることが分かった。構造骨組設計用風力係数に関しては、遮蔽物の無い場合と同様の手法で設定できることを示し、最大荷重効果が生じる際の瞬間的な風力係数との比較・屋根を支える柱軸力の比較により、その妥当性を示した。風上屋根の風力係数は風下屋根の風力係数よりも遮蔽物の影響を受けやすく、切妻・翼型屋根に関してはhb/Hが0.5をこえるとその影響が顕著になることを分かった。片流れ屋根は他の屋根形状に比べて遮蔽物の影響を受けにくいことが分かった。