日本農村医学会学術総会抄録集
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第59回日本農村医学会学術総会
セッションID: P1-F1-5
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肝ダイナミックMRI検査における動脈優位相の至適造影タイミングについて
川上 典孝松木 秀一吉田 友彦斎須 貴明菅家 大誉
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キーワード: 肝ダイナミックMRI
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抄録

【目的】造影剤静注後、腹部血管および肝実質への到達時間を測定し、肝ダイナミックMRI検査における動脈優位相の撮像タイミングを検討したので報告する。 【方法】被検者に造影剤(Gd-DTPA又はGd-DTPA-BMA)を静注し、注入開始と同時に1相あたり1秒の撮像を90秒間行った。対象者は2009年3月以降、診療上胸椎、腰椎、骨盤腔の造影検査を施行する患者で、体重が45kgを超え、腹部の追加撮影の趣旨を説明して同意が得られた患者54例を対象とした。院内倫理委員会承認済み。使用機器はMR装置:シーメンス社製Magnetom Avanto 1.5T、インジェクタ:根本杏林堂社製ソニックショット50。撮像シーケンスはTurbo FLASHを使用しCoronal面を2スライス撮影。  造影条件は造影剤を注入速度2.0ml/sで10ml注入した後、同速度で生理食塩水を50ml注入。造影剤を注入開始と同時に撮像を開始した。到達時間の測定は腹部大動脈(腹腔動脈分岐レベル)、門脈(肝門部レベル)、肝実質(脈管が被らない部位)に複数ROIを設定し、1)腹部大動脈到達時間、2)腹部大動脈ピーク時間、3)腹部大動脈立ち下がり時間、4)門脈到達時間、5)門脈ピーク時間、6)肝実質ピーク時間を測定した。 【結果】全被検者平均は1)17.0秒、2)21.6秒、3)30.6秒、4)26.8秒、5)34.0秒、6)46.9秒であった。 【結論】造影剤注入速度2.0ml/sec、注入量10mlにおける肝動脈優位相が得られるタイミングは腹部大動脈ピーク時間21.6secから門脈ピーク時間34.0secを中心に考慮することが有用である。

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© 2010 一般社団法人 日本農村医学会
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