日本農村医学会学術総会抄録集
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第55回日本農村医学会学術総会
セッションID: 2F05
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一般演題
外側型椎間板ヘルニアにおけるMRI double oblique画像の有用性
楳田 雄吉村 明伸松岡 理恵今井 美穂小野江 雅之末松 太梅村 喜昭藤野 明俊佐多 和仁田中 孜
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抄録

<はじめに>椎間板ヘルニアのMRI検査においては、硬膜外脂肪の圧排や神経根の圧排像など数多くの注目すべき画像所見が存在しており、これらの所見が確定診断の一助となっている。中でも外側型椎間板ヘルニアによる神経根の圧排に、T1強調double oblique画像が有用といわれている。
 当院のMRI検査においては、外側型椎間板ヘルニアを疑う場合に通常の水平断・矢状断像のみならず、直接神経根をスライスするT1強調double oblique画像を追加撮像している。この撮影を追加することにより、神経根の圧排程度を良好に描出することができ診断、治療法の決定に有用であったので、症例とともにその撮影法をここに報告する。
<使用装置>PHILIPS社製 Intera Achieva 1.5T Nova
<撮像プロトコール>TSE法 T1強調画像で、TSE factor/3・TR/500ms・TE/11ms・NSA/2・Matrix scan/336・reconstruction 512・スライス厚/4mm ・撮像時間1分20秒で両側撮像している。
<撮像方法>目的椎間板レベル水平断像にて神経根に垂直面に設定し、冠状断像にて神経根に垂直面に設定し撮像する。
<まとめ>T1強調double oblique撮影のおける神経根像は、円状に描出され、周囲は脂肪に包まれている。しかし外側型椎間板ヘルニアにおける神経根像はヘルニアの圧排を受け形状が変形して描出される。なお当院では外側型椎間板ヘルニアによる神経根の圧排を複数スライスに認めた時、その神経根の障害と診断している。
 T1強調画像のdouble oblique画像は ミエログラフィーと異なり造影剤を使用することなく、非侵襲的で簡便な検査方法であり外側型椎間板ヘルニアの診断において特に有用な撮影法であると考えられた。

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© 2006 一般社団法人 日本農村医学会
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