日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第21回大会
セッションID: P_D05
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ポスター(知覚・感性)
自分と他人の指への同期的接触による指の変形感覚の生起
*佐藤 優太郎齋藤 五大小鷹 研理
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抄録

我々の考案したダブルタッチ錯覚(DTI: Double Touch Illusion)では,自他の指を近傍に配置した状態で,自他の指に同期的に閉眼で触れることで,他人の指に身体所有感が生起する.通常ラバーハンド錯覚では,実際の身体への意識をダミー身体でマスクすることで錯覚が成立している.対してDTIにおいて,自身の指に自ら接触するのにも関わらず,所有感が生起する点は注目に値する.このことは,自分の指への意識を維持したままに,自分の指と他人の指が接合するといった新たなパラダイムを導入しなければ説明できない.本稿ではDTIの特性を実験心理手法で抽出することを試みる.実験では,自他の指双方への接触(錯覚条件)と他人の指のみへの接触(統制条件)の条件において,主観評価と固有感覚ドリフトを計測し,DTIの錯覚量を同定する.予備実験では錯覚条件で所有感の生起とドリフトが確認された.提出原稿では新たに十分な被験者数で実験を行う.

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© 2023 日本認知心理学会
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