日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第21回大会
セッションID: P_C10
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ポスター(社会的認知・発達・教育・学習)
視点取得における他者と物体の距離による影響
*坂田 千文石井 龍生藍 予智上田 祥行森口 佑介
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抄録

目の前の物体について判断する際,その隣に他者の身体が見えていると、物体の判断のしやすさが変化する。先行研究では,回転した文字について判断する際に他者の身体が一緒に呈示されると,他者側に回転した文字に対して,逆側に回転した文字よりも速く正像・鏡像判断ができることが示された。本研究では他者が文字判断の手がかりになる条件として他者との距離に着目し,他者の身体による影響を検討した。文字と他者の身体を画面の左側または右側にそれぞれ呈示し,文字の正像・鏡像判断にかかる時間を調べた。その結果,文字の呈示位置による回転バイアスがあり,左に呈示された際には右回転よりも左回転の文字に対する判断が速かった。さらに,他者が文字の近くにいるとこのバイアスが増大し,遠くにいると弱まった。これらの結果は,他者から判断対象になる物体までの距離によって,物体の認知プロセスが自動的に変化することを示唆している。

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