主催: 日本認知心理学会
会議名: 日本認知心理学会第21回大会
回次: 21
開催日: 2023/07/01 - 2023/07/02
多くの研究によって,マインドワンダリング(MW)の発生要因が探索されているが,それぞれの知見は独立しており,統一的な見解は得られていない。本研究では, MWの発生は,エージェントが従事しうる思考や行動に対するモチベーションの時間的な変化に依存するという仮説に基づき,これまで提案されてきた発生要因の統合的理解を目指す。このために,特定の基準値のみが決められており,その値への近接量に基づく学習を行う,Homeostatic Reinforcement Learning(HRL)を導入する。HRLでは,内部状態が発散しないように,行動選択をするため,行動価値が低く設定されている行動にも従事する特性がある。MW研究で頻繁に採用される行動課題をHRLエージェントに課し,MW頻度の変化を検討した。結果として,MW内容の重要性,課題に対するモチベーション,課題の難易度に関連するようなパラメータの調整によって,MW頻度を操作できることを示した。