日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第21回大会
セッションID: P_D11
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ポスター(知覚・感性)
アナグラム課題の未了が時間情報処理や正答の再生率に及ぼす影響
*新妻 文香牧岡 省吾
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抄録

時間情報処理は,中央実行系や注意資源を用いる課題,視覚刺激記銘時の処理水準の違いにより影響を受けることが明らかになっている。本研究でも時間情報処理を妨げる課題を発見することを目指す。中断されたタスクの名前は完了したタスクの名前よりも記憶に残りやすいというツァイガルニク効果が知られており(Zeigarnik,1927),この効果はアナグラム課題の解答を妨げられた場合においても確認されている。時間情報処理を妨げる課題を調べた先行研究から,アナグラム課題の解答を妨げることが時間情報処理を妨げると推察されるため,アナグラム課題と2秒の時間作成課題の二重課題を用いて実験を行った。その結果,アナグラム課題を妨げられると時間知覚が伸長する傾向がみられた。このことはツァイガルニク効果が時間情報処理に影響を及ぼすことを示しており,その関係を調べることで時間情報処理の仕組みを解明することにつながり得るといえる。

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© 2023 日本認知心理学会
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