日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第5回大会
セッションID: p1-047
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ポスター発表
幼児における形容詞と名詞とからなる句の理解の発達過程
*藤木 大介関口 道彦加島 志保高橋 佳子倉田 久美子山崎 晃
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キーワード: 言語獲得, 形容詞, 名詞
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抄録

Ninio (2004)は,“黒い靴”の様な名詞句の理解は,名詞“靴”を理解し,それに“黒い”という属性を追加するプロセスであると説明し,ここから,句の理解の発達には名詞のみを理解する段階があると予測し,これを示した。しかし,ヘブライ語は名詞句の語順が名詞-形容詞の順であるので,名詞であること,初頭語であること,句の主要部であることがそれぞれ交絡している。本研究ではこの交絡を日本語の名詞句と形容詞句を用いることで解消し実験を行った。その結果,名詞が初頭になくても,句の主要部でなくても,形容詞と名詞とからなる句の理解では名詞を選択的に理解する発達段階があることが示唆された。しかし,名詞句と比較して形容詞句では,句内の形容詞の理解が困難となることも示唆された。

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© 2007 日本認知心理学会
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