2023 年 33 巻 1 号 p. 6-10
集中的なリハビリテーション治療を、1日3時間・365日提供できる回復期病棟には、多くの療法士の在籍が必要であり、人材を確保するために新人理学療法士が多数在籍する結果となっている。またコロナ禍により不測の環境の中で臨床実習を受けてきた新人理学療法士が入社してくる現況もある。回復期病棟の理学療法士は、専門的な基礎知識・技術の他に、住宅改修や福祉機器等の基礎知識・実践能力、コーディネート能力も必要となってくる。当院の教育体制は専門基礎知識・技術の他、組織人としての人材育成、回復期リハビリテーション専門教育、経験年数別によるプログラムを構成している。経験の浅い理学療法士が多く在籍する中、質の高いリハビリテーション治療を提供するためには、施設レベルにおける卒後教育体制が必要である。更に卒前教育、日本理学療法士協会による生涯学習制度との連携が、より質の高い理学療法士育成に寄与する。 なお,本論文に関して,開示すべき利益相反関連事項はない。