日本毒性学会学術年会
第50回日本毒性学会学術年会
セッションID: S6-4
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シンポジウム6: 医薬品製剤のExtractablesとLeachablesの安全性評価の考え方
医療機器分野におけるExtractablesとLeachablesの安全性評価
*野村 祐介岡本 悠佑長谷川 千恵蓜島 由二山本 栄一
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抄録

医療機器分野では、ISO等の国際標準が各国の医療機器規制に積極的に取り入れられている。身体と接触する医療機器においては、ISO 10993シリーズに準拠した生物学的安全性評価の実施が求められている。ISO 10993-1「医療機器の生物学的安全性評価の基本的考え方」では、医用材料の化学的特性に関する情報収集を要求している。ISO 10993-1、10993-17(曝露量評価)、10993-18(化学的特性評価)及びISO 21726(毒性学的懸念の閾値:TTC)の改訂動向を見る限り、動物福祉や開発コスト削減の観点も踏まえて、化学分析を併用した安全性評価手法は、ますます利用されると考えられる。U.S. Food and Drug Administrationは化学分析の導入を積極的に推進していると共に、国内においても化学分析の導入を試みている医療機器メーカ及び受託試験研究機関が存在する。 化学分析は分析対象が決まっている場合、医療機器からの溶出量及びヒトへのばく露量評価に非常に有用である。一方で、医用材料メーカは不純物を含めた全組成を開示しないため、化学分析に利用できる情報は限定される。それゆえ、TTCアプローチは、医療機器の包括的な評価に利用可能である。しかし、同アプローチに利用される現行のE&L分析は、いずれも解決すべき課題が山積している。本発表では、遺伝毒性及び感作性試験の代替となるTTC及び皮膚感作性の閾値(DST)の概念を利用した戦略的分析パッケージを紹介する。

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