日本トキシコロジー学会学術年会
第33回日本トキシコロジー学会学術年会
セッションID: P-221
会議情報
内分泌系
2, 2’ , 4, 4’, 5, 5’ - hexachlorobiphenyl (PCB 153) のラット出生前曝露が次世代の発達および甲状腺におよぼす影響
*小林 健一宮川 宗之王 瑞生須田 恵本間 健資
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抄録

【目的】我々は第30回の本年会において比較的高用量の非コプラナー型PCBである2, 2’ , 4, 4’, 5, 5’ - hexachlorobiphenyl (PCB 153) の妊娠期曝露における産仔の血中甲状腺ホルモン濃度の低下について報告した。本年会ではより低濃度のPCB 153曝露における次世代の発達および甲状腺への影響について検討した。【方法】雌ラットの妊娠期10日から16日にかけて、PCB 153 (0, 1, 4 mg/kg/日)を強制胃内投与した。産仔は体重、体長、尾長、臓器重量、血中サイロキシン(T4)濃度および甲状腺刺激ホルモン (TSH) 濃度を測定した。さらにTSH負荷試験を行った。【結果】母親の妊娠期間、出産数、妊娠期および授乳期の体重は、曝露群と対照群との間に差は認められなかった。産仔の体重、体長、尾長、および肝臓、腎臓、精巣、前立腺、精のう、卵巣重量において、曝露群では対照群と比べて差が認められなかった。T4濃度およびTSH濃度において、曝露群では対照群と比べて差が認められなかった。TSH投与によるT 4濃度は、曝露群では対照群と同様な上昇応答が認められた。【考察】今回の実験で用いた用量におけるPCB 153の出生前曝露では、次世代産仔に対し明確な発達毒性や甲状腺への影響は検出されなかった。現在、更なる解析を行なっている。【謝辞】村瀬正氏の協力に謝意を表する。

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© 2006 日本毒性学会
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