日本トキシコロジー学会学術年会
第33回日本トキシコロジー学会学術年会
セッションID: P-216
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脳神経系
マウスのスケジュール制御オペラント行動による認知機能影響評価
*宮川 宗之小林 健一
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抄録

マウスのスケジュール制御オペラント行動(SCOB)を指標に、認知機能(学習・記憶)への影響を評価する方法を紹介する。タイムアウト付交替型混合FR DRO(alternating mixed FR10 DRO10s with TO)スケジュール下でのSCOBを用いる。この行動試験は一種の遅延交替反応であり、タイムアウト時間をセッション内で変化させてFRとDROに対応した反応パターン切替えの正確さを測定することで、短期記憶の保持曲線に相当するデータを得ることが可能である。このSCOBの学習過程および適切な反応パターン習得後のパフォーマンスを指標に、学習・短期記憶の保持・行動の適切な制御といった認知機能に対する影響の測定が可能と考えている。これまで、ラットを被験動物として、ビスフェノールAやPCB等の次世代影響の評価に使用してきた。今回は、マウスを使用するための諸条件を検討し、基本的にラットと同様のオペラント反応を形成させることができた。反応の習得後に、短期記憶の保持曲線をベースとしてスコポラミンやメタンフェタミン等の負荷試験を実施した。また発達神経毒性評価における陽性対照物質の候補として抗甲状腺薬メチマゾールを投与し、その影響を検討した。これらの結果を、過去のラットのデータと比較しつつ報告する。

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© 2006 日本毒性学会
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