日本トキシコロジー学会学術年会
第33回日本トキシコロジー学会学術年会
セッションID: P-193
会議情報
毒性発現機序
塩素化ビスフェノールAの紫外線照射生成物によるアポトーシスの誘導
*武藤 泰子伊吹 裕子寺尾 良保小島 周二五島 廉輔
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

【目的】ビスフェノールA(BPA)の塩素化体が古紙再生工場の排水から検出されている。環境中では、これらBPA塩素化体(ClBPAs)は紫外線照射により構造変化をし、その中には生体毒性の強い3_-_ハイドロキシビスフェノールA(3-OHBPA)を含むことがこれまでの研究で明らかとなった。本研究では、紫外線照射生成物の毒性のメカニズム解明のためClBPAsに紫外線を照射し、生成物によるアポトーシスの誘発について検討した。

【方法】BPA、ClBPAs(3-ClBPA、3,3’-diClBPA、3,3’,5-triClBPA)および3-OHBPA各々の水溶液に紫外線(UVA、UVB、UVC)を照射した。Jurkat細胞に紫外線照射生成物を添加し、アポトーシスに特徴的なクロマチン凝集およびDNAラダー形成の観察、活性化カスパーゼ3、8、9の変化、チトクロームCの遊離を測定した。

【結果と考察】UVB、UVC100J/cm照射した3,3’-diClBPAと3-OHBPA添加後の細胞において、クロマチン凝集およびDNAラダー形成が観察された。また、活性化カスパーゼ 3、 8、 9 の上昇、チトクローム-Cの遊離が認められ、紫外線照射生成物によるFasリガンドおよびミトコンドリアを介したアポトーシスの誘発が示唆された。

著者関連情報
© 2006 日本毒性学会
前の記事 次の記事
feedback
Top