日本トキシコロジー学会学術年会
第33回日本トキシコロジー学会学術年会
セッションID: P-190
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試験法:in vitro・代替法
In Vitro 3T3 Neutral Red Uptake (NRU) 光毒性試験のスループット向上に関する検討
*藤川 真章周 玉山田 弘堀井 郁夫
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抄録

【緒言】In vitro 3T3 NRU光毒性試験法は光毒性化合物をスクリーニングする方法として一般的に用いられている。創薬段階においては多くの化合物を迅速に評価することが要求される。そこで本研究ではOECDガイドライン案で示されたin vitro 3T3 NRU光毒性試験のスループット向上を目的として作業量および作業時間の効率化について検討した。
【方法】作業量の効率化:1回の細胞播種操作で試験開始日が異なる複数回分の試験用プレートを準備するための前培養条件(播種細胞数および薬物曝露までの前培養時間)を検討した。判断の基準として,試験開始時の細胞数および標準物質のMPE (Mean Photo Effect) 値を用いた。作業時間の効率化:小型8連式自動分注器を用いて試験操作の機械化について検討した。
【結果】作業量の効率化:播種細胞数を0.285,0.5および1.1 x 104 cells / wellとし薬物曝露までの前培養時間をそれぞれ72,48および24時間とした条件において,薬物曝露開始時の細胞数はいずれも2.3-2.4 x 104cells / wellであった。さらに標準物質のMPE値はいずれも同程度を示し,前培養条件の違いによる光毒性評価への影響は認められなかった。したがってこれら3種類の前培養条件を用いることにより1回の細胞播種操作で3日連続の試験が可能となった。作業時間の効率化:試験操作の機械化について種々検討したところ,細胞の洗浄操作ならびに培地およびneutral red抽出液の添加操作においては手動操作と併用することにより作業時間が約半分に短縮された。
以上の検討から,細胞播種数および前培養時間を調整し,細胞の洗浄操作ならびに培地およびneutral red抽出液の添加操作を機械化することによってin vitro 3T3 NRU光毒性試験のスループットの向上が可能であることを確認した。

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© 2006 日本毒性学会
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