日本地理学会発表要旨集
2024年日本地理学会春季学術大会
セッションID: 216
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年間総積雪量を決定づける気候学的要因
*山本 諒立花 義裕
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キーワード: 年間総積雪量, 豪雪, 風向
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抄録

日本は人口の多い地域でも世界でも有数の豪雪が降る国である.しかしながら、その程度は地点によって異なっている。雪の多さは必ずしも寒さで決まらない。我々は、日本の冬季の積雪の程度を決定づける要因について探るため、地上観測データと長期再解析データを用いて解析した。最初に、総積雪量の上位を占める地点では降雪日数も同様に多いことが分かった。つまり,降雪の回数の多さと総積雪量は比例していた.次に,日常的な風向が降雪確率の高い風向の一致度合いが降雪回数を決めていることを仮説として立てた.そして,最頻風向と降雪確率の高い風向を豪雪地点と非豪雪地点で比較した。その結果、豪雪地帯の全地点で2つの風向が一致した。一方、非豪雪地帯はほとんどの地点で一致していないことが分かった。また、2つの風向が一致した非豪雪地点でもそのときの降雪確率は低かった。これらの結果から気候学的な豪雪地帯は気候学的に最頻風向で降雪が起こりやすい地域かつ気候学的に最頻風向の日数が多い地域であることが分かった。このような気候学的な雪の研究成果は、降雪地域の文化や風土の新しい知見につながると考えられる。

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