本稿では，高齢者の見守りシステムのための動画像からの特徴的な表情抽出手法について述べる。ここ数年，独居高齢者の世帯数が増加傾向にあり，高齢者の見守り・安否確認のための様々なシステムが実現・活用されている。ロボット分野においても，高齢者の家庭にロボットを導入した見守りシステムの研究が行われており，今後も多くのシステムが市場に進出することが考えられる。本手法では，従来のように高齢者の安否情報を伝えるのではなく，高齢者の大まかな心理状態を推定するために，動画像から複数枚の特徴的な顔表情を抽出する。具体的には，基準となる顔画像と各フレームで検出された顔画像の特徴量の差を指標として顔表情の抽出を行う。