非侵襲的なてんかん焦点決定法の確立は、焦点診断の精度の向上に寄与すると考えられ、治療指針の意志決定において重要である。近赤外線分光法(NIRS)は、神経単位の活動の結果引き起こされるヘモグロビン変化を非侵襲性に検出できる技法である。そこで我々は、光トポグラフィ(多チャネル近赤外線分光計測)により焦点診断を試みた。 対象はてんかん患者5例で、患者には予め臨床発作型、脳波、画像検査等による焦点推定を行った。焦点と推定された領域を含む部位の頭表に光トポグラフィ(日立メディコ社製ETG7100)のプローブを配置し、オキシヘモグロビン(oxy-Hb)を指標として検査・解析を行った。その結果、全例において、てんかん焦点と推定された部位で、Oxy-Hbの変動が観察された。 以上の結果より、脳波に加えて、発作中の光学トポグラフィによるヘモグロビン量の変動を評価に加えることは、てんかん焦点診断の第 1 相検査において有用であると考えられた。