水産物の流通に関わる熟練者の知見は貴重な知的財産として見なすことができる.しかし,厳しい労働条件等が起因して後継者が育たず,知見の継承も容易ではない.そこで本研究では,魚市場競り人を対象として,競り人の品質評価を解析してモデル化し,これを組み込んだ品質評価システムの構築を目指している. 本報告では低彩度魚種を対象魚として,競り人の品質評価のカテゴリー,魚体体表の色彩及び魚肉鮮度との関係について統計的解析を行い,外観評価のモデル化に有用となる指標の抽出を試みた.加えて,高彩度魚種に対する外観評価との相違点について検討及びモデル化を試みたので,その結果について報告する.