新生児脳疾患は脳形状の変化を伴うことが多いため,症状進行度の診断にはMR画像を用いた評価が有効である.しかし,手作業で複数のMR画像から脳表抽出を行うと医師に多大な負担が生じる.さらに,診断者間変動や診断者内変動が起こる可能性もある.そのため,新生児頭部MR画像から脳表を自動的に抽出する手法が求められている.これまでに成人頭部MR画像を対象とした脳表抽出法は多く提案されているが,新生児頭部MR画像を対象とした手法は少ない.本研究では,新生児頭部MR画像を対象とした粒子を用いる脳表抽出法を提案する.提案手法は,脳組織に見立てた3種類の粒子をMR信号値を基にして脳領域に配置し,周囲の粒子分布を基にして粒子の遷移,移動を行い,粒子の分布をMR画像と一致させることで脳表の抽出を行う.新生児頭部MR画像に対して提案手法を適用した結果,良好に脳表を抽出できた.