本論文では、半余弦関数ウェーブレットネットワークと動的輪郭モデル(Snakes)を利用した移動物体の輪郭抽出方法について述べる。Snakesでは、一般に、初期輪郭線の配置が難しい。一方、著者らは、半余弦関数ウェーブレットワークを用いた移動物体の領域抽出手法を開発している。この手法は、移動物体領域を荷重付き基底関数の集合で表す。そこで、移動物体領域を構成する基底関数の中心座標を利用して、初期輪郭線の効果的な生成を試みる。移動物体を含むフレーム画像を用いた移動物体の輪郭抽出実験により本手法の有効性を確認する。