主催: 日本知能情報ファジィ学会
繰り返し囚人のジレンマゲーム(IPDゲーム)は,進化計算の分野において,エージェント間の協調行動の進化を調査する手法として多くの研究がなされている.協調行動の進化には多くの関連要素が存在し,その1つとしてエージェント間の空間的な関係があげられる.空間構造を持つIPDゲームにおいて,対戦及び遺伝的操作は格子世界内で行われる.各エージェントは対戦相手の選択時に用いる対戦近傍,及び遺伝的操作の交叉時に用いる交叉近傍の2種類の近傍構造を保持する. 他の重要な要素として,戦略をコード化する際の表現形式の選択があげられる.表現形式の選択に関しては多くの研究がなされているが,異なる表現形式が混在する状況での調査はなされていない. 本論文では,空間構造を用いたIPDゲームにおいて,異なる表現形式が混在する場合の協調行動の進化を調査する.格子世界内に2種類の近傍構造を導入し数値実験を行い,得られた結果に基づいて考察を示す.