本研究では，ファジィ数を係数にもつ線形結合式で表される評価方式について検討している．ファジィ係数をもつ線形式に対する計算には通常，拡張原理が用いられる．この拡張原理を用いて計算した場合，ファジィ数の中心値を基本として考える場合，基本的には通常の線形評価方式に基づく評価方式になっていると考えられる．そこで，本研究ではＤＥＡの考え方を用いてファジィ係数をもつ線形評価の方法について考察する．ファジィ係数をもつ線形評価式をレベル集合に基づくあるレベルで考えた場合，区間で与えられた係数をもつ線形評価式で評価対象の評価値を算出することになる．このとき，ＤＥＡの考え方を用いて各評価対象の特徴をできるだけ有効に評価するように，あるレベルでの係数の区間内の値を評価対象ごとに異なった値で評価できるような評価方式について考察している．