主催: 一般社団法人日本地質学会
会議名: 第128年学術大会(2021名古屋オンライン)
開催日: 2021/09/04 - 2021/09/06
反応速度論は,多様な岩石組織の形成を考えるうえで重要である.本研究では,粒間流体を介在した鉱物の溶解析出反応に関する単純な速度論モデルを構築することで,反応メカニズムや反応組織を支配する物理化学的パラメータを理解することを目的とする.具体的には,化学的不均質としての組織形成を生み出す鉱物溶解析出反応の本質を考える最低限の要素として,2種の化学成分の粒間流体中の拡散,および,固溶体を生成する表面反応をモデル化することにより,システムを支配する無次元パラメータを導出し,無次元パラメータの変化に伴うシステムの挙動を明らかにした(Kuwatani and Toriumi, 2020 Earth, Planets and Space).本講演では,構築した反応速度論モデルの概略を説明し,地殻流体の存在が反応に与える影響を議論するとともに,さらなる拡張モデルによって,コロナや反応帯などの多様な反応組織の形成メカニズムが可能であることを示す予定である.