主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2022年度日本地球化学会第69回年会講演要旨集
回次: 69
開催日: 2022/09/05 - 2022/09/16
p. 172-
本研究では、ユークライトJuvinasとTazzarineについて、全岩試料、化学的に分離した鉱物相、数mg程度の岩片の精密Cr同位体分析を行なった。その結果、JuvinasのMn-Cr系はクロマイトが結晶化した2次的なイベントによって鉱物レベルでリセットされた可能性が高いことが明らかになった。一方、数mm~cm離れた場所からハンドピックした岩片はクロマイト-酸塩鉱物相とは異なる傾きを示し、ここから得られる(53Mn/55Mn)は(3.4±1.3)×10-6となった。この傾きは、Trinquier et al. (2008), Day et al. (2012)によって報告されたHED隕石の全岩試料から得られるアイソクロンの傾きと誤差範囲で一致しており、Vestaにおける大規模な分化イベントの年代を記録している可能性がある。