日本地球化学会年会要旨集
2020年度日本地球化学会第67回年会講演要旨集
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S3 考古と文化財の地球化学
ブルガリア南東部の前期青銅器時代のスヴィレングラト・ブランティーテ遺跡から出土した土器の鉱物学的特徴
*黒澤 正紀千本 真生柴田 徹
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p. 191-

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抄録

ブルガリア南東部の前期青銅器時代の土器の胎土の特性を調べるため、スヴィレングラト・ブランティーテ遺跡から出土した土器片の鉱物粒子・岩片・粘土の分析をSEM-EDS, XRD, XRFで行った。全ての土器には、遺跡周囲の変成岩帯から由来したほぼ類似した鉱物粒子・岩片が含まれており、粘土部分の組成も塩基性変成岩の風化によってもたらされる粘土鉱物の組成に対応していた。一部の外来影響の器形や表面文様を持つ土器も他の土器と鉱物粒子・岩片・粘土の組成に変化は認められず、現地性の土器と推定された。推定された焼成温度は700~800℃で共通していた。土器の原材料や形成手法の同質性・付近の地質体からの原材料の入手・それほど高くない焼成温度が、同地域の前期青銅器時代の土器の特徴である可能性がある。

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