日本地球化学会年会要旨集
2019年度日本地球化学会第66回年会講演要旨集
会議情報

G09 水圏や土壌圏の環境地球化学
水環境中の溶存無機態リン酸の三酸素同位体組成定量
*三歩一 孝角皆 潤中川 書子伊藤 昌稚
著者情報
キーワード: リン酸, 三酸素同位体
会議録・要旨集 フリー

p. 248-

詳細
抄録

水環境中の溶存無機態リン酸(以下リン酸)は、一次生産(光合成)を律速する重要な物質である。また、人為的なリン酸の局在化は、生態系の破壊につながる危険性がある。そのため、環境変化の現状把握や予測、修復を実現する上で水環境中のリン酸濃度の規定要因や循環機構を理解することが重要である。従来の研究では、水環境中の主要リン酸負荷源を推定するため、リン酸の酸素安定同位体比(d18O(PO4))が指標として活用されてきた。しかし、実際の水環境中では、様々なリン酸負荷源が存在するため、d18O(PO4)のみを指標に用いて各負荷源の混合割合まで推定することは困難となることが多い。そこで本研究では、三酸素同位体異常(D17O≒d17O – 0.528•d18O)を負荷源推定の新指標として追加で活用することで上述の課題を克服できないか検討した。これまでに溶存無機態リン酸のD17O値の報告例はなく、本研究が初の試みである。

著者関連情報
© 2019 日本地球化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top