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海底下に存在する熱水活動は、海洋地殻を構成する玄武岩等の火成岩と海水が反応し、海水からマグネシウムを除去する。そのため、海水中のMg/Ca比は海洋底拡大率と負の相関を持つと考えられている (Stanley and Hardie, 1999)。また、海水中のMg/Ca比は炭酸塩鉱物の結晶構造(カルサイト・アラゴナイト)に影響を与えるため、熱水反応によるMg/Ca比の変動は炭酸塩骨格生物の進化に重要である。海底熱水系における水-岩石反応でマグネシウムが同位体分別を起こす場合、海底熱水活動の指標として海水中のδ26Mgが利用できる可能性がある。そこで本研究では海水中のδ26Mgの有用性を評価するため、海底熱水系における海水-玄武岩反応によるマグネシウムの同位体分別係数を求めることを試みた。また、マグネシウムとの比較のためストロンチウムの同位体分別についても調べた。