日本地球化学会年会要旨集
2018年度日本地球化学会第65回年会講演要旨集
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G04 鉱物境界面の地球化学、水-岩石相互作用
アルカリ塩湖の水質は準安定な含水炭酸塩鉱物によりコントロールされる
*福士 圭介松宮 春奈
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p. 35-

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抄録

大陸内部の乾燥地域には、高塩分・高pH・高炭酸イオン濃度の水質をもつアルカリ塩湖が広範に分布する。アルカリ塩湖では含水カルシウム炭酸塩であるモノハイドロカルサイト(MHC)の生成が頻繁に認められるが、MHCの生成条件、塩湖の水質に及ぼす影響、さらに塩湖における炭素循環に果たす役割はよくわかっていなかった。これまでに発表者らはMHCの合成実験、合成試料の放射光分析およびMgを含有するMHCの第一原理計算を行い、MHCの生成にはMgを必要とすること、MHC中のMgは主に別相としてMHCに付随する非晶質炭酸マグネシウム(AMC)であることを示した。本研究では、塩湖環境を模擬した溶液中におけるMHCおよびAMCの溶解度測定を行い、自然界のアルカリ塩湖の水質はMHCおよびAMCの生成過程によって制御されていることを突き止めた。

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© 2018 日本地球化学会
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