主催: 日本地球化学会年会要旨集
海洋において、Ni、Cu、Znは、微量栄養素として、または様々な地球化学的な過程のトレーサーとして重要な役割を担う。Ni、Cu、Zn同位体比は、供給源によって異なる。 また海洋における物理的、化学的および生物学的過程において同位体比が変化する。そのため、濃度に加えて安定同位体比を分析することで、微量金属の生物地球化学循環をより詳細に知ることができる。海水中Ni、Cu、Znは微量であり、高濃度の塩が同位体比測定を妨害するため、同位体比測定に先立って分離濃縮が必要である。本研究では、エチレンジアミン三酢酸基を配位子に持つNOBIAS Chelate PA-1キレート樹脂(Hitachi High-Technologies)とAG MP-1M陰イオン交換樹脂(Bio Rad)を用いて迅速かつ精密な海水中Ni、Cu、Zn同位体比分析法の開発を行った。