日本地球化学会年会要旨集
2014年度日本地球化学会第61回年会講演要旨集
セッションID: 1E09
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G15 初期地球と生命起源の地球化学
カナダ・ラブラドルネーン岩体の地球最古の表成岩から読み解く初期地球の表層環境
*小宮 剛山本 伸次青木 翔吾田代 貴志石川 晃堀 真子石田 章純佐野 有司平田 岳史
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抄録

私たちは初期地球のテクトニクスや表層環境を解読する為に、2011年以来、カナダ・ラブラドル地域のネーン岩体の地質調査、地質年代、地球化学的研究を行ってきた。本地域には世界最古の表成岩であるNulliak表成岩帯(>3.96Ga)が存在し、その表成岩帯は超塩基性岩、縞状ハンレイ岩、玄武岩、堆積岩からなる。また、その岩相と地質構造はそれが付加体起源であること示す。本地域には塩基性岩と互層して産するアルゴマタイプと炭酸塩岩に伴って産する浅海成タイプの二種のBIFが存在する。そのBIFの組成を用いて、当時の海水のCo, Zn, Niの組成を推定した結果、初期太古代の海水中にはそれらの元素が多く含まれていることが分かった。また、砕屑性堆積岩中には球状または不定形の微小な炭質物が存在し、その炭素同位体値は約-29‰ (δ13CPDB)と、とても低く、生命由来であることを示唆する。

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© 2014 日本地球化学会
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